福音館の古典童話シリーズの一冊です。
童話となっていますが、中学生位からが考えて読めるのではないかと思います。
「人はなにで生きるか」
「火をほうっておくと、消せなくなる」
「人にはどれだけの土地が必要か」
など、17編がおさめられています。
今から120年程前に書かれたものです。
このほとんどが、トルストイが民衆を啓蒙する目的で出されました。
トルストイ自ら“良い作品”と見なしたこれらは、全ての人に共通の真理をを持っており、一切無駄が切り捨てられ、うわべを飾らない文体で表現されています。
“最高の真理”は、生活のために戦っている民衆の心の中に、素朴な形で保存されていると信じていました。
民衆から学ぼうとする彼の姿勢から完成した作品群を、今このような世の中故、大人も読み直してみる価値があるかと思います。