赤木かん子さんの本に、「もしもし…はなしちゅう」というロダーリ作品が紹介されていて興味を持ちました。
この本は、短編四話です。
表題作から読んでみました。
毎日鏡に向かってあかんべえをしている歯医者さん。鏡が怒って、鏡の中から歯医者さんのコピー人間が何人も出てきます。
奇抜な発想で、今までに読んだことがないタイプのお話で、読み聞かせしながら息子と笑ってしまいました。
「大きくならないテレジーン」は、戦争で父を失ったテレジーンの深い悲しみが伝わってきました。
大きくなりたくないと思ったテレジーンの背は伸びなくなります。そこで話が終わらないのが、ロダーリ。
奇想天外な展開で、そうきたかと思いました。平和への祈りが感じられました。
「ミダス王と山賊フィローネ」や「きこりになった王子」には、治世が混乱すると国民が迷惑することや、どんな治世が人にとって良いのかを思いました。
おもしろいだけでなく、風刺も効いていて、読ませます。
読み聞かせするなら低学年、一人読みするなら中学年からだと思いました。
国際アンデルセン賞作家ということですが、私自身読んだのは初めてです。
他のお話もあるようなので、引き続き読んでいきたい作家の一人になりました。
安藤美紀夫さんの訳も読みやすかったです。