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キツネとのやくそく」 ママの声

キツネとのやくそく 作:立松 和平
絵:黒井 健
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,595
発行日:1998年3月5日
ISBN:9784309730646
評価スコア 4.6
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みんなの声 総数 9
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  • 日本らしい絵本

    父のために、キツネのもとへお嫁に行った三姉妹の末娘。
    山奥で光る、キツネの行列はなんとも幻想的です。

    キツネのもとへ三女は嫁いだ一年後、父はキツネのお屋敷に招待され、三女の幸せそうな姿を見ます。
    娘が幸せなら、自分も幸せ。それはどの親も同じですね。

    意外だったのは、その宴のあとで、父は自分の貧乏な家にもどったことです。
    長女と次女もそれぞれの望むとおりに嫁ぎ、父は山に思いを馳せながら一人で生きていくというラストが、妙に現実的に感じました。

    娘にとっては、半分キツネになったお嫁さんの姿が衝撃的だったようです。

    日本人にとってキツネは、昔話には欠かせない生き物です。
    なにか不思議な魅力があり、この幻想的な表紙を見ると思わず手に取ってしまいます。
    そういう感覚を、絵本を通して子どもたちにも伝えていきたいな、と思うのです。

    投稿日:2014/11/02

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  • 幸せかどうか

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    身を助けてもらうのと引き換えに、娘を嫁に出す約束をした猟師のお話です。

    まずなにより、その幻想的な絵にひきこまれます。
    きつねの世界の不思議さをよてもよく表現していると思いました。

    今の時代にももちろんあると思いますが、とくに昔の人たちは自分たちと慣習の違うものを受け入れない気持ちがあったのではないでしょうか。
    慣習の違うもの。それがこのきつねの世界として表されているのかなと感じました。

    違う世界に入ることは決して不幸と繋がるわけではない。
    幸せかどうかは本人がどう思うかなのですよね。

    投稿日:2009/06/12

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  • 人間だけが特別ではありません

    • しいら☆さん
    • 40代
    • ママ
    • 宮城県
    • 男の子17歳

    「きつねの嫁入り」というと黒澤明監督の映像を思い出します。それだけ鮮烈だったということもあるのでしょうが。

    黒井さんの絵のすばらしいことはもちろん、立松さんの「生きる」「命」ということに対する基本理念が伺えます。

    狩りをやめ、農作業をし、山に向かってひとりでに手を合わせ頭を下げる弥平の姿に、自然に対する畏敬の念と、娘に対する気持ちをしんみり感じさせます。

    すべての生き物はいっしょうけんめいに暮らしています
    人間ばかりが特別ということはありません
    自分ばかりでなく、全体が幸福にならねばなりません

    という立松さんのメッセージが絵本を読み終わった後、ジーンときました。

    投稿日:2009/04/11

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  • 黒井健さん

    黒井健さんが絵を担当していらっしゃる作品だったのでこの絵本を選びました。神秘的な物語にどんどん引き込まれていきました。黒井健さんの絵が神秘的な魅力でとても丁寧に描かれているのが良かったです。お父さんは自分の娘が幸せになってくれる事が願いなのだと思いました。お父さんの心のもひしひしと伝わってくる作品でした。お父さんはいつでも子供の事を考えていてそれは年齢は関係ないのだなと思いました。お父さんの優しさに感動しました。

    投稿日:2008/12/24

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  • 表紙に惹かれ。

    図書館で表紙に惹かれ、自分で読みたくて借りてきました。
    不思議そうな、怖そうな、背筋がゾクゾクしそうな、映画のワンシーンのような。

    キツネとの約束をキチンと守って普通にお話が流れていくのですが、私は勝手に約束を破ってきっと罰とかあるお話なのかな〜、怖いなあ〜と思いながら読みすすめました。(なぜなら、日本昔話ではこういった話が多いから。)
    キツネとの約束を守るお父さんがエライ。そして、それに従う娘さんもエライと思いました。

    きちんと約束を守ったからでしょうか?
    娘さんが幸せになり、お父さんも幸せな気持ちになれたのは。
    でも、半分キツネの顔に変わってしまった娘さんの顔は、ちょっと怖いです。

    2才のうちの娘は、やはりつまらなさそうでした。
    私は、おもしろかったし、やはり不思議なキツネ達の行列の絵に惹かれます。

    投稿日:2008/05/25

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  • ラストが衝撃

    • おるがんさん
    • 40代
    • ママ
    • 高知県
    • 女の子、男の子

    雪山で遭難した弥平は、キツネに助ける代わりに娘を嫁に欲しいと言われます。
    そして、本当に娘をキツネの元に嫁がせます。
    1年後、幸せに暮らす娘を見て、弥平は心から安心します。

    この手の話はありますが、大抵が相手は人間に戻って、幸せに暮らすのですが
    このおはなしは、娘がだんだんとキツネになっていくのです。

    人間は動物の中では特別と言う観念を打ち砕かれます。
    人間が他の動物を養うもので、動物から養われるなんていままでのはなしにはなかったと思います。

    人の幸せも、動物の幸せも、根本は一緒なのだと教えてくれます。
    人間だけが、欲を持ちすぎているのかもしれません。

    投稿日:2007/09/19

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  • 親の愛

    自分の命を助けてもらうかわりに娘を嫁にやると約束してしまった父親。苦悩が続きます。
    根底にあるのは、どうぶつを見下す気持ちではないでしょうか。
    上の姉達に拒否された父親は、しかたなく末娘をキツネの嫁に出します。
    結婚した娘を見て、父親はどんな気持ちになったのでしょうか。「こんなにしあわせな気分になったのは、弥平ははじめてのことでした。むすめのお光がしあわせになったから、父親の弥平もしあわせだったのです。」
    人間同士が結婚したからといって幸せになるとは限らない。このキツネたちは何が幸せなのかを知り、この父親までも幸せな気持ちにさせてあげられたのです。
    人間らしい心が失われつつあるといわれる昨今、ちよっと考えさせられる本でした。

    投稿日:2003/03/15

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