ゆかは三年生の新学期を迎えました。
ゆかの両親は離婚し、ゆかは父と共に祖母の家で暮らしています。新学期と転校で、学校へ行くのも楽しくはありません。
そんなゆかを迎えてくれたのは、子どもたちを「だっこで、ぎゅ」をして迎えてくれる中津先生でした。
三年生というと息子と同年代、そんなゆかが抱えている悩み・痛みを思うと心がひりひりしてしまいました。
同時に、ゆかを育てる父がゆかの気持ちに気付かないことへの憤りを感じてしまいました。
いろいろな状況の子どもたちがいるのは、現在では仕方がないことなのかもしれません。
でも、子どもの気持ちに気付く大人であってほしいし、大人は子どもを守ってほしいとも願わずにはいられません。
ゆかの視点で書かれているので、中津先生はゆかを取り巻く信頼できる大人という立場なのですが、個人的には中津先生のことを私はもっと掘り下げて書いてある読み物であったらよかったなあと思いました。
いきなり離婚で始まったのでドキッとしましたが、今の問題として中学年以降の読み物にもこうした状況が取り込まれていくんですね。
海外物を読んでいると書き方にもあるのかもしれませんがあまり気にならないのに、日本のものだと引き付けて考えてしまうのか、最後の方などゆかの気持ちを思うと私は心が痛んで仕方がなかったです。