「ぶたのぶたじろうさん」はシリーズだったのですね。この『こわいみちにまよいこみました。』が8冊目になるのですね。
今まで知らなかったなんて、なんてもったいないことでしょう。
表紙や裏表紙を見ると、色彩も豊かでコラージュなどもあって、いかにもスズキコージの世界なのですが、中身は一色です。でも安心してください。一色でもスズキワールドのパワーは衰えることはありません。
私のお気に入りの絵は、ぶたじろうさんが夜空を眺めている絵です。茶色なのに、夜空にいろいろな色の星がピカピカ輝いていて見えます。ぶたじろうさんがうっとりしてしまう気持ちがよくわかります。
それにしても、ぶたのぶたじろうさんは、なかなか肝がすわっていますね。こわい道もどんどん進んでいけるし、大雨で川に流されそうなサルのぼうやを助け、雪山に閉じ込められてもあわてない。
これまでの絵本の中のぶたさんのイメージを完全に変えてしまいました。
内田麟太郎さんとスズキコージさんが創り出すぶたじろうの世界、これからも楽しみです。