クリス・ヴァン・オールズバーグは、1981年の「ジュマンジ」、1985年の「急行 北極号」、2002年の「ザ・スーラ」と3度のコールデコット賞の受賞という金字塔を打ち立てています。
しかも、その3作とも映画化されているというオマケつき。
今回の作品は、1991年の初版で邦訳は2003年。
物語は、航海日誌からの抜粋という形で進んでいきます。
この手法は、難破した宇宙船の航海日誌だけが残されていて、それを再現するという類の映画で良く目にしたもの。
絵の中に船長の航海日誌の文章だけがあって、最初から何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
海図に無い島に上陸して、持ち帰ったのが不思議な石。
その石の絵はないものの、表面から光を発しているとの記述があって、ここから物語は大きく展開します。
船での出来事は、航海日誌から窺い知ることが出来、最後はハッピーエンドとなるのですが、底知れぬ恐怖が感じられる絵本です。
久しぶりに読んだオールズバーグの作品でしたが、絵の上手さ以上に、文章の構成の凄みを感じずにはいられませんでした。
読み聞かせではなく、自分で読むことのできる小学生以上が対象となりますが、怖がりにはオススメ出来ないかも知れません。