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いまいましい石」 パパの声

いまいましい石 作・絵:クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳:村上 春樹
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,815
発行日:2003年11月
ISBN:9784309267005
評価スコア 4.47
評価ランキング 10,781
みんなの声 総数 16
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  • 底知れぬ恐怖が感じられる作品

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    クリス・ヴァン・オールズバーグは、1981年の「ジュマンジ」、1985年の「急行 北極号」、2002年の「ザ・スーラ」と3度のコールデコット賞の受賞という金字塔を打ち立てています。
    しかも、その3作とも映画化されているというオマケつき。
    今回の作品は、1991年の初版で邦訳は2003年。

    物語は、航海日誌からの抜粋という形で進んでいきます。
    この手法は、難破した宇宙船の航海日誌だけが残されていて、それを再現するという類の映画で良く目にしたもの。
    絵の中に船長の航海日誌の文章だけがあって、最初から何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
    海図に無い島に上陸して、持ち帰ったのが不思議な石。
    その石の絵はないものの、表面から光を発しているとの記述があって、ここから物語は大きく展開します。
    船での出来事は、航海日誌から窺い知ることが出来、最後はハッピーエンドとなるのですが、底知れぬ恐怖が感じられる絵本です。

    久しぶりに読んだオールズバーグの作品でしたが、絵の上手さ以上に、文章の構成の凄みを感じずにはいられませんでした。
    読み聞かせではなく、自分で読むことのできる小学生以上が対象となりますが、怖がりにはオススメ出来ないかも知れません。

    投稿日:2010/10/10

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    1
  • オールズバーグならではの作品です

    航海日記に描かれた不気味な出来事。
    淡々とした文章とさりげない絵で通していることが、かえって話の不気味さを強調しているように感じました。
    Wretchedをいまいましいと訳したこともなにかあるかもしれません。

    航海していて、立ち寄った地図にない島。
    土産代りに船に持ち込んだのが「不幸を呼ぶ石」。
    放射能のような石の発するエネルギーで猿になってしまった船員たち。
    14枚の光景の中に、とんでもない物語を凝縮してしまったのは見事だと思いました。
    余韻を残したハッピーエンドですが、怖いまま終わっていたらちょっと子どもには薦められないかも。

    投稿日:2010/08/22

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