孤独な「かいぶつ」のお話です。
読んでいる側から、奥さんは「ひどいね〜」「差別だ!」と繰り返します。
自分も読みながら、そう思いました。
この「かいぶつ」、悪いことは何もしていないのに、友達が欲しいのに、動物は逃げるし、木は枯れるし、岩はくだけるし…。この「かいぶつ」、本当は優しいのです。
子ども達にはどのように伝わるのでしょうか?
外見で人を判断したりはしないでしょうか?
弱い者いじめのときに、人をばい菌のように思って平気にはなりはしないでしょうか?
かいぶつが死んだ後、荒れ地には緑が戻り、動物たちが帰ってきます。友達だった石のウサギは埋もれて誰も気づきません。
おそろしい最後だと思いました。
かいぶつが死んで良かったとは思われないでしょうか?
私は、逆説的な意味でこの絵本をお薦めします。
作者には、私が気にかけたような意図は全くないのです。
子どもに読む前に下読みして、どのように伝えるかを考えたい大人のためのお薦め本です。