ヤングアダルトから成人向け。
人間の世に疑問を投げかけ、命を問う。
チンパンジーやゴリラにやたら敏感になっちゃったりして、読後感がなかなか抜けなかった作品。
これでも児童文学、読みごたえ満点。翻訳も読みやすい。
引きこもりが大半を占める世。交通事故に遭って死の淵をさまようエヴァは、なんとしても生きて欲しいと願う両親によってチンパンジーの脳にエヴァであることの記憶を移植され、長い昏睡状態から目覚めます。
マスコミにさらされ、元のチンパンジーの本能を受け入れ、実験台になり、学校に行き……やがてエヴァがたどった道とは。
まず根底にある宗教感というか哲学が似ていて共感しました。
とはいえ、かなり皮肉な種の交代。新種は人間が作り出してしまうのでしょうか。近未来サスペンス。
いろんなことを考えさせられます。ぜひ考えてみて下さい。
今だと「猿の惑星」を連想してしまうでしょうか。