アンキロサウルスの子どもが、ちょっとした勘違いから、ティラノサウルスをパパだと勘違いしてしまい、懐いてしまったアンキロサウルスを捨てることができないティラノサウルスが育てていくうちに、情がうつっていく様子が丁寧に描かれていました。
その分、アンキロサウルスの子どもが仲間のところに戻ったときのティラノサウルスの気持ちの切なさが伝わってきました。
見送るティラノサウルスの顔が、喜びと寂しさの混ざった表情に見えて、読み終わったあとに複雑な気持ちになりました。
友達が、子どもがいる女性と結婚することを決めたときに、この絵本と偶然出会い、「いつかは本当の父親のところに戻るかもしれないと感じる、悲しい絵本だった。でも、この絵本に出会ってよかった。こうなるかもしれないという覚悟を持ちながら、精一杯子どもを愛していきたい」と言っていました。
今は複雑な家庭環境が多くなってきましたが、共感できるお父さんお母さんも多いのかなと、そのときに感じました。