「ちいさなおはなしやさんのおはなし」 なかなかよいと思う みんなの声

タイトルが

ちいさなおはなしやさんと書かれていたので

お話を売る人だとは思っていましたが

その「お話」がなんと

お話の木になるお話の実なんです。

そのまま食べても苦い実ですが

鍋でコトコト煮ればおいしくなります。

なにやら呪文を唱えながら出来た実は

お話の実として売られます。

これを買った人たちはスプーンにひとさじ食べると

たちまち口の中でお話が広がります。

同じお話はないそうです。

頭の中ではなく口のなかで広がるお話、

なんだか不思議ですね。

大雨のせいでお話の木が流されてしまい

飼い猫と二人で途方に暮れます。

これからどうやって暮らしていけばいいのか、

終盤には新しい出会いもあり、

そして何よりなにもしない猫が

実はなんかしていた・・・というのが

面白かったなと思いました。

挿し絵のこがしわかおりさんの絵が、物語にとってもあっていて、イメージしやすかったです。
たぶん、分野的には児童書の絵童話と呼ばれるジャンルになるのではないでしょうか？
文と挿絵の比率がほとんど一緒です。
文字も大きく読みやすいです。絵本からひとり読みで物語を読み始める頃のお子さんに特にお薦めします。

おはなしやさんの作るおはなしの実の瓶詰はどんな味がするんでしょう！？食べてみたいです。
はなし好きにはたまらないですね〜。お口も心も幸せになれそうです。
後半に登場する大男も優しそうでのんびり屋さんな感じがとってもいいです。
おはなしやさんと名コンビになりそうです。

ただごろごろしているだけの居候のような存在だと思っていた『ねこ（名前すらない…）』が、物語の後半で意外な存在感を出してくることに驚きました。
竹下さんの作品なので、とても読みやすいです。