「ぼくの稲荷山戦記」と「水の伝説」と「夜の神話」で、神さま三部作と言われています。
もう古い本になってしまうのでしょうか。もともと名作と思っていましたが、3.11があってから尚更埋もれてはいけないと思ったのでレビューします。
早い話が原発事故の話です。
青い炎に蝕まれるスイッチョさんを助けられるのか。老朽化した原発の暴走はどうするのか。
最初に読んだ時は「おはなし」でしたが、改めて読むと、一人の作家が、(きっとそれなりに取材して)書いていたことを、なぜ政府は、私たちは、との心苦しさを抱えながら惹きこまれました。
現地以外の子供たちには、あの現実はどう落ちたのでしょうか。
読んで欲しいなぁと思いました。大人も子供も、ぜひ手に取ってみて下さい。
特にメルトダウンを食い止めようと奔走する父親たちの思いに文章が割かれており、私的にはいちばん印象的。
ラストの神さまの言葉が今、心に染みます。
本好きなら中学年から。もちろん読ませる内容だし、アニメやラノベで和物ファンタジーが流行中の中高生も手に取りやすいかと思います。