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ガブリエル・バンサンは、言葉少なに、心の表現、お互いの気持ちのやり取りの表現が絶妙な絵本を数多く描いていて、様々なことを感じさせてくれます。 この「森にくらして」は、『パプーリとフェデリコ』三部作の一作目。 孤高を愛して世間から離れ一人暮らしを続けている老齢のパプーリと、パプーリに預けられた問題児のフェデリコの出会いを描いています。 一人静かに本でも書こうと思っていたパプーリにとって、フェデリコは全く異質の存在。 なかなか打ち解けることなく、自分本位で行動してしまうフェデリコにパプーリは振り回されてしまいます。 しかし、パプーリは「どうしてこれほどに、自分のことを思ってくれるのだろう」と、疑問を持つところから、ようやく心を開くようになります。 社会から離れ、二人だけの生活の中で、描かれている絵は言葉以上に饒舌です。 期待感のある一作目でした。
投稿日:2012/06/03
先に2作目を読んでいたので、かえって一作目・二人の出会いが気になっていました。 こちらを読んで、二人の生活の始まりが見ることができて良かったです。 穏やかに見えますが、きっとお互いに苦難を経験しているだろうことが想像できます。 静かな生活のありがたさや尊さが、身にしみるようです。
投稿日:2012/02/16
森の中で孤独を選んで生きてきた老人・パプーリが 一人の少年・フェデリコと一緒に生活にするにつれ お互いが必要とすることに気づき 認める課程が感動します。 悪(わる)だったっと言うフェデリコの「どうして、おいださないんだい?」や 「たべるのだって、めんどうだった」って言う言葉、 まだ子供なのに何を気を遣ってるんだろうって 悲しくなります。でも彼もパプーリおじさんに出会って 生きたいって思う気持ちを持ってくれたことに どんな境遇であっても必要する大切な人が傍にいると こんなにも変われるんだなぁって改めて感じさせられました。 3部作との事、ぜひ他の作品も読んでみたいです。
投稿日:2007/08/25
ガブリエル・バンサンに最初に出会ったのがこの絵本です。書店で見つけ、地味な色調ですが、その中に漂う静けさと温かさに惹かれて早速購入しました。 世捨て人のような生活を送る年老いたパブリーフと一人ぼっちの少年フェデリコの心温まる交流が描かれています。すべての人は成長し適応しようとする資質を持っています。しかし、資質を開花させるには、誰かが成長を見守り、成長に併せた援助をすることが必要です。世の中にたった一人、深く愛してくれる人がいれば、人は変わっていける、そんなことをこの絵本は教えてくれます。 そしてそのたった一人の人が、子どもにとっては親であったらいいなと願ってやみません。 よく育児は育自と言われますが、自称「わる」だったフェデリコがパブリーフの愛情で「いろいろなことがすき」になったように、パブリーフもフェデリコの愛情によって、大事なことを見つけるのです。 「行きたいところで生きる。いっしょにいたい人と、生きる。したいことを、する」それが、人間の本当の幸福であることを、この本は静かに問いかけてきます。地味な本ですが、この本は多くの人にとって、忘れられない一冊となるだろうと確信しています。この絵本を紹介できたことをとても嬉しく思います。
投稿日:2007/05/31
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