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お話をせがまれて奮闘するお父さんの姿が目に浮かんでくる、父と子のやり取りが面白い物語です。 少し読み聞かせに飽きたルルくんは、お話に慣れていないお父さんに注文を付けます。 お父さんはなれないながらも、ルル君をモデルに様々な創作話を始めます。 素晴らしいところは、ルル君のことを知っていなければ作れないお話ばかり。 子どもは自分のことを知っててくれることで父親に安心感を持つのですね。 女性の佐野洋子さんが書いているからこそであって、このラインはかなりハードルが高いのです。 ルル君の日ごろの振る舞いを踏まえて、創作話をするお父さん。 ルル君も納得するだけの父と子の会話がありました。 アッ、肝心の話の内容を書いていません。 お父さんには、このような読み方も良いのではないかと思います。 父親にお薦めの本です。
投稿日:2011/04/15
佐野先生の訃報を聞き、この作品を借りてきました。 お父さんとのお話の時間と言うのは素敵ですね。 4〜5歳くらいの男の子でしょうか。 丁度語彙も増え、お父さんとしては息子との会話も楽しい時期でね。 日常の父子の会話の形で、息子がお父さんにお話をせがむところから始まります。 “むかしむかし”で始まるお話も“あるところに”っていう話し初めにも飽きている息子の男の子。 ありきたりじゃないお話をお父さんにせがみます。 このお父さんは、なかなかのストーリーテラーです。 お話は全部で5話。 男の子がお父さんに語るお話(「毛のはなし」)もあります。 5話中3話の初出は他の雑誌に掲載されたものだそうです。 佐野先生ならではの思わず吹き出してしまう子どもに似合わぬおませな台詞や、子どものくるくる変わる発想や、忙しく想像の世界とこちらの世界を行き来する思いつきに、微笑ましさが伝わってきます。 佐野先生の子育ても、きっとこうだったのでしょうね。 この作品は、1話ずつでもお父さんに読んで欲しいなと思います。 あっ、でも読後お子さんたちにマイパパのお話をせがまりたりして・・・。
投稿日:2010/11/18
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