良い絵本として紹介されていたので図書館で借りました。
この絵本は「おだんごぱん」(絵:脇田和・文:瀬田貞二)と同じロシアの民話を元に描かれたものです。
ストーリーはおばあさんが作ったパンが転がって外に出て、途中で出会う動物に歌を歌って逃げるのですが、最後にはきつねに食べられてしまうというものです。
文章は「おだんごぱん」(瀬田貞二さん)の方が親しみやすいと思います。
”おだんごぱん”という響きがなんとも良く、さらに歌では「てんかのおだんごぱん」というところが、読んでいて楽しいです。
それに比べ、「パンはころころ」のやぎたよしこさんの訳は淡々とした感じがします。
そして、絵については、脇田和さんのぼんやりした絵とは違い、マーシャ・ブラウンさんの描いた登場人物はハッキリとした表情が読み取れて、生き生きと動いて見えます。
特に、きつねのずる賢い感じとその他のちょっと間の抜けた動物達の表情やしぐさの違いが描き分けられていて、素晴らしいです。
また、文章に書かれた内容と絵で描かれた内容がピタリと一致しているのも良いと思います。
マーシャ・ブラウンさんのはっきりした絵には淡々としたやぎたよしこさんの文章のほうが合う気がします。
同じロシアの民話ですが、どちらの絵本もオススメです。
でももし買うなら「パンはころころ」を買うと思います。