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ノンちゃん雲に乗る自信を持っておすすめしたい みんなの声

ノンちゃん雲に乗る 作:石井 桃子
絵:中川 宗弥
出版社:福音館書店
税込価格:\1,320
発行日:1967年
ISBN:9784834000795
評価スコア 4.57
評価ランキング 5,867
みんなの声 総数 6
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  • 大好き!子どもの頃の食わず嫌いを後悔。

    ロングセラーですので、私が子どもの頃、図書館に数冊並んでいたような本だったと思います。
    なのに、なぜか読んだことがありませんでした。
    おそらく、明朝体?の線の細い活字がずらっと並んでいるのを見て、読み通せる自信がなかったのだと思います。日本の長編物語は悲観的で、欧米の物語にあるような前向きな姿勢がないという先入観もありました。
    装丁も、挿絵もアーティスティックに振りすぎて、今の私にとっては好みなのですが、子どもの頃の私は魅力を感じなかったのでしょう。
    もう少し文字の線が太い本はたとえ長編でもいくらでも読んでいたのですけどね…

    さて、大人になってこの本を手に入れ、読んでみて、なぜ、子どもの頃に読まなかったのだろうと少し後悔しました。
    主人公は子どもの頃の私にそっくりで、これほど共感できる相手もいなかったのではと思います。

    雲の上の世界のできごとを描いたファンタジーであり、しかしそこで語られる内容はノンちゃんの日常であり…と、独特な構成が魅力的です。
    また、ヨーロッパ的なファンタジーではなく「高砂のおじいさん」という極めて日本的な登場人物がノンちゃんと読者をファンタジーの世界に誘うのも素敵です。

    真面目な優等生のノンちゃんと対照的な自由奔放なお兄ちゃん。高砂のおじいさんはお兄ちゃんの視点に立つことの大切さをノンちゃんに教えてくれます。立場の違いを考え、相手のことを思いやること。今の日本では果たしてどのくらいの大人がそれをできているだろうかと思います。

    それから、「嘘をつかない」ということ。とても大事なことだと皆分かっているはずなのに、こちらも軽視している大人が多い気がします。
    嘘をつかないという態度がどれほど大切か、そのことが非常に印象深く描かれている点も心に残りました。

    最近、決してそのような教訓めいたことを表には出さずに、面白いストーリーの奥にそのような価値が感じられる物語の重要性が増しているような気がしてなりません。そのような意味でも心に留めておきたい作品です。

    読み終えたあと何とも言えない気持ちになり、高校生の娘にも勧めました。娘も溜め息混じりに、この本が好きだと言っていました。
    私がすっかり石井桃子さんのファンになってしまった一冊です。

    投稿日:2020/05/07

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  • 深い物語

    「君たちはどう生きるか」と同じ匂いがしました。
    だからもしかして発行されたのも同じような時代なのかな?と、
    思ったけれどこの絵本の方が30年後で、私と同い年なのでした。

    とてもおもしろく、そして考えさせられました。
    大人の私が読んでもおもしろいのに、書いてあるのは子供の話。
    そしてその子供の描写がいい。作者の石井桃子さんは、子供のこ
    とをよくわかっている方なのだなあと思います。
    のっけから、ノンちゃんが置き去りにされて泣いている場面から
    私は引きずり込まれてしまい・・そうだったそうだった、と、自
    分の小さかった頃をしっかりと思い出してしまった。こっそりと
    置き去りにされる悔しさ、大人が約束を守ってくれない時の悔し
    さ。ノンちゃんに同化してしまう。
    私はノンちゃんのようにくっきりとした優等生ではなかったけれ
    ど。しかし、くっきりとした優等生でいるということに甘んじて
    いてもいけないというおじいさんのお話も深くて。

    登場する人々がそれぞれ個性があるのだけれど、皆いい人ばかり
    というのも大好きなところ。お父さんのこだわりのなさ、お母さ
    んの働き者なところは、お父さんお母さんの理想の形のひとつだ
    と思う。お兄ちゃんの純朴さは、妹であるノンちゃんの立場だっ
    たらちょっと苦手かもしれないけれど、傍からみていると、おじ
    いさんの言う通り。素晴らしいお兄ちゃんだ。あわてんぼうで、
    わすれんぼうで、のんちゃんとくらべたら学校のお勉強は出来な
    いけれど、でもきっとお父さんもお母さんもお兄ちゃんのよさを
    きちんとわかっているのだろうなあ。犬をとっても大事にしてい
    るところも素敵。

    投稿日:2010/04/19

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    1
  • 生きていく上での大切な術

    亡くなった石井桃子作品を少しずつ読んでいます。
    先に自伝「幼なものがたり」を読んだので、この作品も自伝的要素が強いように思いました。

    ノンちゃんの知らない間に、東京にお母さんと兄ちゃんが行ってしまい、ショックを受けるノンちゃん。

    「二年になったら」というお母さんの言葉を頼みに、「ニ年」になった今ようやく東京に行けることを楽しみにしていたのですからその落胆ぶりもわかる気がします。

    鬱鬱とした気持ちでいたノンちゃんが木に登ると、いつの間にか雲の上に来てしまいました。

    雲の上で出会ったおじいさんに家族のお話をするノンちゃん。おじいさんがノンちゃんに言ったことで印象に残ったのは、わんぱくな兄ちゃんよりも、優等生過ぎるノンちゃんの方が心配であるということ。

    おじいちゃんは、ノンちゃん側から見た気持ちではなく、家族のそれぞれの立場から見た気持ちを教えてくれます。

    大家族の頃は、処世訓といった大げさなものではないけれど、おじいさんやおばあさんが生きていく上での大切な術を教えてくれる役割を担っていたのでしょうね。

    私もおじいさんから、いろいろなことを教えてもらっているような気になりました。

    特に優等生の妹を持った兄ちゃんがひねくれもせずにすくすく育っていることにおじいさんが感心している点に興味を持ちました。

    投稿日:2008/08/01

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  • 小学校2年生になったノンちゃんが体験した、不思議な体験と、現実の学校や家庭内のお話。

    1967年刊行。筆者の実体験ではないだろうかと思われるほど、リアルな描写が印象的。子どものころに、私は「大人は、子どもの頃の気持ちをどんどん忘れていってしまうのだ」と思っていたが、この人は違った。兄弟間の葛藤、家族内の行き違いなどもしっかりと書かれていて、胸が詰まる。

    嘘も方便とは言うが、子どもだからって適当に誤魔化していたり、本当のことを言わないでいたりされると、深く傷つく。
    そのことを、小さい子どもが事故に遭って、三途の川を渡る(ここでは雲の上だが)体験をして帰ってくるという話で表現しているのだと思った。
    身の上話をしながら、自分の間違いに気が付いたり、いろんな発見があったりするところなどは、読んでいて共感したり、感心したりした。話すという体験で、学ぶことも多いのを、筆者は知っている。

    この作品の後も、生涯、子どもたちのために働いた筆者の、真摯な思いが伝わってくる。一本気な性格のノンちゃんは、私には石井桃子その人だと思えてならない。

    大人が読んで、ちょうどいいような読み応えのある作品。
    子どもが読んでももちろんよいのだろうけど、年齢に関係なく、人の気持ちについていろいろな発見があると思う。

    投稿日:2022/04/11

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  • 読んでおきたかったな〜と思える本!

    もう50年前以上の本なのですね。
    私が子供の頃に読んでおきたかったと,親になった今思うそんな本です。
    8歳の女の子ノンちゃんが主人公のお話です。
    小学校中学年くらいのお子さんの一人読みにもぴったりな本に思いました!

    投稿日:2018/10/02

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