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タイトルが気になって図書館で借りてきました。 読んでみたら自分が想像してたものとは全然違っていました。 一種族の生きもの(犬やオオカミ系)の、凛とした生き方を丁寧に描いた作品ではないかと思います。 ちょっと驚いたのは、この作品の翻訳が「昔話の再話」などで有名な小澤俊夫さんだったこと。 このおはなしは創作なのに珍しいな〜と、思いました。 絵本のつくりがシリアスで濃厚なわりに、絵本というよりマンガチックな描き方が不思議でしたが、これはマンガチックなのではなくて、映画の絵コンテチックだったんですね〜。 巻末の作者の説明を読んで、そうなのではないかと思いました。 寒い冬の日、しっとりとした時間を過ごしたいと思った時などにお薦めの1冊です。
投稿日:2016/07/10
赤いおおかみ 何のことだろうと思って読み始めました。 それは、赤毛の犬のことだったのです。 赤いおおかみは、普通にお母さんと兄弟と一緒に暮らしていたのに、突然独りぼっちになり、オオカミに拾われてオオカミの子供と一緒に大きくなったのです。 それはありえそうだけど、この赤いオオカミがそう言われる由縁となったのは、なんと言っても見た目は違っていても本当のオオカミだったからだ。 最期、自分の豊かな生涯を回顧するところなど、もう涙があふれて止まらなかった。 そう。 生まれて、出会い、育ち、闘い、食べ、悲しみ、オオカミとして一生を終えたことに心から満足して死んでいった。 私も赤いオオカミのような一生を望みます。 この本は、子供が思春期になったら是非読んでほしいです。
投稿日:2014/11/19
赤木かん子さんが、絵本でも読み応えがあると紹介していらしたので読んでみました。 馬車から転がり落ちたことで犬の運命が変わります。 「赤いおおかみ」とあったので、どんなおおかみかと思ったら、おおかみに育てられた犬でした。 犬の祖先はおおかみであるというお話を聞いたことがあるので、割と近いと思うのですが、それでも、おおかみの中で犬が伍して生きていくのは並々ならぬ苦労があっただろうと思います。 犬のお話ですが、人間の人生に重ねてしまうところがあり、深い味わいがありました。
投稿日:2009/02/07
絵本の紹介本で、他の本は2冊ないしは4冊で1ページ使っているところ、この本1冊で堂々1ページ使って紹介され、絶賛されていた本です。 紹介文が結構重かったので、興味はあるものの、なかなか手に出来ませんでした。 今回初めて読んでみたのですが、思ったよりずっと読みやすく、しかも深い感動がありました。 そして、あまり見たことがないスタイルの、「骨太で壮絶な絵本」でした。 1匹の赤毛の小型犬が生まれるところから始まり、その犬の一生を描いています。 最初人間と一緒に暮らしていたのに、オオカミに拾われてオオカミとして育ち、そしてまた人間と暮らして、最後には壮絶な死が。 犬としての人間との柔らかで幸せな時間、そしてオオカミとしての強さと狩と戦いの時間、どちらも彼にとっては真実で、充実した自分の人生だったのです。 だから、人との柔らかなふれあいを心地よく思いながらも、最期の時は、オオカミとして決然として死に向かうのです。 1ページの文章量が少ないので、どんどんページを進めることができます。 それは、読みながら、一緒に彼の人生をたどっていく作業でもあります。 死ぬ間際に、彼が自分の人生を振り返って豊かで素晴らしかったと喜ぶところは、圧巻です。
投稿日:2007/03/02
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