「おおきなおおきな木みたいに」 みんなの声

相手に、微笑んで優しい言葉かけをしたら、相手も喜んで二人の関係はよくなっていく。それは、まるで心の中にある木に枝が延びて葉っぱがたくさんつくように。心の木の絵の幹の部分は切込みがあって、ちょっとした、しかけ絵本となっています。

『Kindness Grows』が原題。
明るいオーラの表紙の力強さが印象的です。
実は一種の仕掛け絵本です。
何やらギザギザの穴が開いているではありませんか。
どうやら、木の幹のようですが、物語が始まるとびっくり。
二人の関係性を左右で対比させてあるのですね。
右のページでは、そのギザギザが木の幹となって成長するのに対して、
左のページでは、見えない亀裂として存在します。
そう、同じ形が、見え方によって変わるということでしょうか。
次々と提示されるシチュエーションは、応対一つで違った光景になることを教えてくれますね。
亀裂は深く鋭く、木の幹は温かく成長して。
もちろん、左のページの収拾のつかないシチュエーションにも救いの手。
まさに手をつなぐことのすごさを体感できそうです。
最後のページで使われるスリットもドラマチック。
幼稚園児くらいから、道徳教材としてもいいと思います。

ギザギザにくりぬいた、小さな仕掛け。そのシンプルな仕掛けがいかされたページのつくりに、ひきこまれました。こどもたちの心情がかたや亀裂として、かたや木として描かれているのが、小さな子どもたちにもすごくわかりやすいのでは。やさしい気持ちがあふれてくるような絵本でした。

新刊コーナーで見つけました。
ページにくり抜きがあるしかけ絵本。
ワイワイ、ワクワクねぇねぇと、優しく声かけすると、嬉しい気持ちがどんどん膨らんで、おおきな木みたいになるよ、と語りかけてくれます。
少しずつ大きくなる木が、子供の成長と重なって、じーんとしてしまいました。
素敵な絵でした。

ページの中央に空いた裂け目が、子どもたちが増えるにつれて、次第に大きくなって、最後には大きな木に育っていきます。
その裂け目をはさんで、嫌な気持ち、嬉しい気持ちの色分けが見事です。
次のページ、次のページと裂け目から微かに見える次ページは、同じ木でも気持ちで色が変わって見えることを象徴しているようです。
いがみ合いを忘れて、優しい気持ちの大切さが伝わってきました。