「福音館の科学」シリーズ。
題名だけだと「イモムシ」?と敬遠されそうですが、
表紙絵がチョウの絵で圧巻。
しかも、鱗粉の質感まで伝わってきて魅了されます。
作者の桃山鈴子さんは昆虫画家だそう。
思わず納得のクオリティです。
チョウの成長を描いた作品ですが、
春、夏、秋の卵からのスタートという視点が目新しいです。
モンシロチョウ、ナミアゲハ、ウラギンシジミ。
3種類登場させることでその違いが際立ちます。
昆虫の脱皮と変態は、やはり不思議の連続。
生きていく知恵でしょうが、すごいです。
文章は知的好奇心を誘う語り口で、観察のポイントが的確に理解できますね。
背景色がスケッチブックののような質感で、
まさしく観察気分です。
写真ではないけれど、リアルでいて、美しいイモムシの造形だと思います。