私自身が小さい頃に好きだった絵本です。とってあったはずなのに実家を探しても見つからず、息子用に購入しました。
無駄が一切ない絵がすばらしいです。日本人が描いたのに、妙にロシアっぽいところも素敵です。ただ一点、ロシアのかぶはこんなじゃないんですけどね。
この話を、「みんなで協力すれば一人でできないことを成し遂げることができる」などというつまらない(失礼!)教訓だと思って読まないでほしいです。
こんな馬鹿げたおおきさのかぶを育ててしまうところからして、おかしいんです。しかも、抜けなかった時に、自分より力持ちを呼んで来るならまだしも、皆、自分より小さく、非力な者を呼んで来る。ねずみなんて、やる気があるのかないのか、猫のしっぽにじぶんのしっぽを巻き付けています。抜いた後、これを皆で食べたなんて野暮なことが書かれていないところがいいんです。「おかしなお話」なんです。それで充分じゃないですか。
さて、購入時、息子は1歳でしたが、この絵本を読むと、一生懸命「うんとこしょ、どっこいしょ」と引っ張っていました。これを読むと元気になります。元気が出るすばらしい内容のお話だからじゃなくて、それが、このおかしなお話の力なんだと思います。
繰り返しが多いけど、無駄な言葉がない。ストーリーのある絵本を楽しむる最初の1冊になると思います。