表紙絵の明るさに、春を感じて手に取りました。
春めいてきた頃なのでしょうか。
くまさんが、手紙を出しに行きます。
するとむこうからきつねさんがやって来ます。
お互い目が合っているけれど、
でも、ふたりは ともだちじゃないから
「……」
「……」
だまって
とおりすぎました。
偶然のなせるわざか、これが何度か続きます。
そして、公園のベンチに並んで座り…。
顔見知りではあるけれど、そこまでの関係って、結構大人社会ではありますよね。
子どもの頃もやはりきっかけがないと、言葉を交わすチャンスがないのかも。
きっかけは、くまさんの優しい心と、帽子かな?
“勇気はいるけれど、声をかけなければなにも始まらない。
声をかけよう。
ほら、この二人は仲良し一番の友だちになったんだよ。”
って、読者への激励のような絵本です。
出会いは、自分の世界を広げられる可能性に満ちたもの。
幼い頃こそ、ものおじせずに出会いを見つけて欲しいと思いました。