「こころのちずをひろげると ふるさとちほうのかたすみに 「やさいむら」がのっています」、こんな詩的な書き出しで始まる絵本は、『やさいむらのなかまたち』という季節ごとのシリーズものです。
秋の巻は、男爵さまとおだてられ都会へ出たものの、そこでは「イモ」となじられた「じゃがいもくん」の紹介から始まります。
絵本、というよりも漫画っぽい、でありながら、それぞれの野菜を紹介する「ねほりはほり」というページは、その特徴をうまくまとめています。
「じゃがいも」でいえば、ちゃんと「ナス科ナス属」の野菜とまず書かれています。
そのあとに名前のいわれ、例えば「男爵いも」と呼ばれるのは川田男爵が持ち込んだ品種だとかそういう話。
さらには、栄養とか保存のことも書かれています。
ちょっとした豆知識として、給食の時間なんかに使えそうです。
「やさいむら」の秋編には、どんな野菜が紹介されているでしょう。
じゃがいも、ほうれんそう、さといも、せろり、さつまいも、とうがらし、しょうが、しいたけ、です。敬称は略しました。
この中でひとつだけ本当は仲間はずれがいるのですが、わかりますか。
答えは「しいたけ」。
しいたけは植物ではなく菌類なんですね。
でも、「やさいむら」のみんなは仲良しですから、仲間はずれになんかしません。
そんなところがなんともほっこりする、いい村です。