今年こそ、娘にキャンプを経験させたいと思っていたので、この本はその前の晩に(!)と、楽しみにとっておいたのですが、忙しくしている間に夏が過ぎ、キャンプシーズンも終わってしまいました。この本を読んだ後には、ますますキャンプに行きたい気持ちが強まりましたが、娘にはお話の楽しさだけでも十分なようでした。100ページ以上もある厚い本なのに、3回も続けて読みたがり、翌朝も真っ先に本を開いていました。なんだか丸い背中の後姿がかわいくて、思わず「読んであげようか?」と声をかけてしまいました。キャンプには行けなかったけれど、ほんの数分あれば、こんなにもしあわせな時間が得られるんだな、と改めて気づくことができた特別な朝でした。
小さいなほちゃんが、大きい子達に交じって、初めてのキャンプに行くお話ですが、大きい子達はそれぞれ、「ちっちゃいこは、すぐなくし」「くらいと こわがるから、だめ!」と反対します。ともこおばさんに「くらいそとに、ひとりでおしっこにいける?」と聞かれて、「いける!」と答えたなほちゃんに、娘は「ええ〜っ!?」
なほちゃんが、川でと尻餅をついてしまったときには、ちょっぴり照れくさそうに笑い、おばさんが怖いお話を始める前には、私の肩にしがみつき、なほちゃんが夜中におしっこをしたくなってしまったときには、「どうしよう・・・」「できるかなあ?」と、ドキドキしながら見つめていた娘。
なほちゃんが無事テントの外でおしっこをし終えたときに見た流れ星は、勇気を振り絞って頑張ったことへの何よりのご褒美ですね。私自身も、初めてのキャンプで見た満天の星空が忘れられません。夜空を埋め尽くすように輝き放つ無数の星。その中にくっきりと浮かぶ天の川(英語のMilky Wayという表現がぴったりだと実感しました)。ぽたぽたと降ってくる(!)流れ星。娘にも、この神秘の世界を実際に見せてあげたいなあ、と願いながら、なほちゃんに娘の姿を重ねて読みました。
娘はまた、キャンプに持っていく荷物の多さに驚いたり、なほちゃんがすいかの種をぷいと飛ばすのを見ておもしろがったり、なほちゃんが引きずってきたすごい薪には、親子で笑いあい、「まゆとおに」のまゆちゃんみたいだねえ、なんて話しました。それから、テントから聞こえるいびきの音当てクイズもしました。「どれがなほちゃんかなあ? ぐーぐーは、男の子だよね。すーすーか、すやすやじゃない?」
そして、読み終えると同時に、私の首に両手を巻きつけ、「このお人形作って〜!」・・・「何のお人形?」「この子のお人形」「えっ、なほちゃん?」「そう。だって、かわいいんだもん!ねえ、お願い、作って〜!毛糸で作って。いろんな色でね。目は黒ね。おズボン、はかせてね!」
キャンプごっこも毎晩続いています。ぬいぐるみの“プープー”と“ななちゃん”といっしょにテントで寝ていると、夜中にななちゃんたちがおしっこをしたくなって・・・という設定です。
来年こそ、キャンプに行きたいな〜。