表紙を見ただけでは、どんな話なのか、まったく想像できませんでした。読んだ後で再び表紙を見ると、金色に輝くお日様と同じ色の服を着た、カクレンボ・ジャクソンの姿が。
表紙を開けると、色とりどりの美しい花たち!わくわくするくらい素敵な色遣いです。ここで一気にお話しへの期待が高まります。
内容も素敵です。とても恥ずかしがり屋のカクレンボ・ジャクソンは、どこに行くときも一番その場所で目立たない洋服を作り、それを着て出かけます。公園に行くとき、買い物に行くとき、確かに彼の着ている服は風景に同化して目立たないのですが、どれもとてもセンスのいい、お洒落なものばかりです。
そんな彼のもとに届いたお城からのパーティーの招待状。さてカクレンボ・ジャクソンはどんな洋服を着ていくのでしょうか?
結果的にすごーく目立ってしまったカクレンボ・ジャクソン。でも、その洋服は多くの人にほめたたえられ、王さまとお后さまから、服をつくるよう頼まれます。そしてそれをきっかけに、彼は洋服屋さんになり、多くの友達と楽しい仕事(天職)を得ることが出来るのです。
短い文章なので、小さい子供でも喜んで聞いてくれることと思います。探し絵としての楽しみもあります。その一方で子供の個性を尊重し、そっと見守ってあげることの大切さも、この絵本は教えてくれているような気がします。
年齢に応じた、面白さ、楽しさ、感動を見つけられる絵本。小三のうちの娘も「この本よかった〜」と絶賛していました。