言いたいことはすごくわかるし、決して読みづらい内容ではありませんでしたが、
読み手に想像して考える部分を残さず、すべて(あかねこの心中)を書かれてしまうと、ちょっと重い……。
せっかく素敵なテーマだから、もう少し違った方向性から攻めてほしかったなぁ。
今、主人公の赤猫と同じような境遇にいる子どもたちには、共感できる部分がたくさんあると思います。
でもさ、白猫かあさんや黒猫とうさんは区別や差別をしようと思ったんじゃなくて、個性を無視してるんでもなくて、別のもっと違う親心が働いて出たセリフかもしれないじゃないですか。
と、子どもを持つ親の一人として、白猫かあさんと黒猫とうさんの肩を持ってしまいました。
絵は西村敏雄さんで、はっきりとして遠目のきく可愛い「あかねこ」が印象的です。