まず、表紙をめくった本の内側の閉じのところに
≪雨ふらしは、獲物をさがしに出たといったろう。≫という1文があって、これを読んじゃったらもう、『雨ふらし』って、この物語にどんなふうに関わってくるんだろう。こんなことを言ったのは誰だろう。って、気になってしまいました。
このお話は「花守の話」の続編です。
花守の時と表紙絵の雰囲気が違っていたので、すぐには気付きませんでしたが、
主人公の「瞳子」と、一見偏屈なおばあちゃんの名前が挙がって、
「うわ〜っ。やった〜ぁ!」と思いました。
「花守の話」はすごい好きな話だったので、その続きが読めるなん嬉しいです。
おばあちゃんは相変わらずで、瞳子は小学校5年生になっています。
「花守」の時は名前しか出てこなかった、由利蒼太という学生さんが登場します。
由利君はおばあちゃん地の近所に住んでいて、使いっぱみたいなことさせられている明るい青年です。
今回の話は実は瞳子の話でも、おばあちゃんの話でもなく、瞳子のお母さんの“昔”の話でした。
この部分が見えてきたことで、おばあちゃんとお母さんの関係がとてもよくわかりました。
講談社さんの出しているこのシリーズは字が大きく、文と文の間もやや広めで読みやすいです。
本が好きなお子さんには、ページ数が少なく物足りなく感じるかもしれませんが、
本を読むことが苦手なお子さんには、量的にも程よく読みやすいだろうなという気がします。
身近なちょっとした不思議に興味があるお子さんたちに特にお薦めしたいです。小学校の中学年くらいから楽しめると思います。