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チベットの主食である大麦の由来についての民話を丁寧に再話した作品。 チベットのプラ国のアチョ王子は、国の人々のために、穀物の種を得ようと、 山の神のところに出かけます。 同行の家来も脱落していくほどの、険しい道程を経て、 ついに山神のところへたどり着きます。 山神は、穀物の種のありかを教えてくれますが、またまた、難関が待ち受けます。 竜王に犬に変えられても、山神の忠告に従い、根気よく目的を達成するのです。 穀物の種のありがたさが伝わってきます。 妻となるゴマンという娘との交流も丁寧に描かれます。 アチョ王子、ゴマン、山神、竜王、犬など、それぞれの造形が素晴らしいです。 特に、アチョ王子、犬の気品高さは美しいです。 物語がやや複雑で長いですが、じっくりと味わってほしい作品だと思います。
投稿日:2014/01/14
美しい挿絵と、チベットの民話というのが気になり、 図書館から借りてきました。 心の優しい王子様が、「穀物のたね」を入手するため、 冒険に出ます。 見事に「穀物のたね」を見つけますが、 これで終わりでないのがこの絵本の素敵なところ。 逃げ帰る際に犬にされてしまい、 この絵本のヒロイン、村長の娘さんとは 犬として出会います。 そして王子様が人間に戻るまでが、また一つの物語なのですが、 その中になんと、チベットの主食「ツァンパ」に繋がる ストーリーも、併せて紹介されているのです。 チベットの方々はツァンパをまず犬にあげる習慣があるそうですが、 なぜそうなったのか。 全部あわせて一つのストーリーなのですが、 その中でも物語がいくつもあって、 かなり読み応えがあり、7歳の息子も大満足。 挿絵も素敵でした。 民話って、いいな。 心からそう思える一冊でした。
投稿日:2014/01/16
あとがきで『シュナの旅』の原作と読み、 子どもの頃に一度読んだきりで、 ほとんど覚えていなかったので、 読んでみたくなりました。 この王子の気高さ、勇気、 最後まで貫かれていて、 絵も雰囲気が合っていて とても美しい物語でした。 本当かどうかわかりませんが、 こんな高潔な支配者がいたら、 民の心も気高くなり、 王族を自然に尊敬してしまうでしょうね。
投稿日:2021/04/24
10歳の息子と読みました。 穀物の種を求めて旅に出た王子の、壮大な物語。 チベットに伝わる民話です。 お話も面白かったですが、雄大な風景や美しい主人公たちの挿絵がとても素敵で、満たされました。 このお話は、宮崎駿の「シュナの旅」の元となっているそう。 そちらは未読なので、そちらも読みたくなりました。
投稿日:2020/06/21
勇敢で、心優しいアチョ王子が、人間に戻ることが出来てよかっ たです!神様から、蛇王から穀物の種を持っているのは、蛇王 だと教えられ、その種を盗みだす方法を教えていただいて、豆つ ぶほどのものを渡されて、救われたのがよかったです。こころから 愛してくれるゴマンとも出会え、ゴマンは麦のあとを追って、プラ 国からロウル地方までのいく千里という土地で大麦がとれるよう になりました。二人の大ロマンスもハッピーエンドになって本当に よかったです。
投稿日:2019/11/10
チベットの民話で、異国の文化を感じることのできる1冊にも思いました。 イラストも美しく衣装なども見応えを感じました。 王子の「自分だけでなく、みんなも豊かにする」という理念が素晴らしいですね!! こういう王子あっての国、いいな〜と感じました。
投稿日:2019/06/06
先日 「ながいかみのむすめチャンファメイ」のお話しの絵本を読んで君島久子さんと 後藤 仁さんの絵の絵本に感動しまして この絵本を知りました チベット人の主食を言われる ツァンパという 大麦を粉にした食べ物 そして チベットに大麦を持ち帰った王子の優しさに感動しました 君島さんの今の子ども達に伝えたい思いと 後藤さんの日本画で描かれた素晴らしい思いがいっぱいつまっているように感じました おおむかし プラ国ではヤクや羊の乳と肉の他は何も食べるものがなかった時代 穀物の種があると知った 王子が難関を越え 蛇王から穀物を盗むという 大変なことを買って出るのです もちろん 自分だけのためではなく 人々に穀物を持ち帰るという強い意志が難関を乗り越えさせたのです 犬にされても やり遂げる そして 自分を愛してくれたゴマンという美しい娘のおかげで実現できたのです 二人の 優しい思いが 難関を乗り越えさせたのでしょう お話しに引き込まれました 日本画の繊細さ 美しさも見どころです 清らかな心の持ち主の勇気と愛は素晴らしいですね 少し長いお話しですが チベットの民話を楽しんでください
投稿日:2016/09/04
表紙に描かれた 二人の男女の気高い美しさに 心惹かれ、この絵本を手に取りました。 チベットを舞台に 壮大なスケールで描かれた物語は、 わたしたちにどんな困難にも立ち向かう勇気と、 こころから愛することの尊さを伝えてくれます。 後藤仁さんの描く 主人公アチョ王子、村長のむすめゴマンの美しさは、 君島久子さんの文章により一層輝きを増します。 音読してみると、20分近くかかりますが、 声に出して読むことで、 君島さんの文のすばらしさをより感じることができます。 子どもからおとなまで魅了するすばらしい民話として、 多くの方にブックトークなどで紹介していきたいと思います。
投稿日:2015/05/12
絵本を通してその国を知ることの出来るのは、民話の魅力です。 穀物が生えていなかった頃、種を求めて大冒険をする王子の物語です。 チベットの風景や服装や慣わしが、美しい絵で描かれていて、とても興味深いです。 もちろん、君島久子さんの文章も無駄がなく、ひきこまれます。 三人の姉妹の一番下の娘が幸せをつかむところや、王子が動物になっているとことは、他の昔話にもよくみられます。 その国、土地にあわせたもので、読み比べるのも楽しいと思います。
投稿日:2014/12/08
チベットにつたわる昔話です。 国民のために、オオムギの種を探し求める王子。けわしい道のりを一人で向かっていきますが、邪悪な蛇王に、犬にかえられてしまいます。 犬になった王子を心から愛する娘、王子を信じてどこまでもついてく姿がせつなかったです。 落ち着いた色で、繊細に描かれた絵がすばらしくて、見入ってしまいました。 絵本を最後まで読んでから、また表紙を見返すとしみじみします。深いきずなでむすばれている二人が、いいなと思いました
投稿日:2014/03/16
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