ふしぎな はこ(評論社)
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娘は、この本を読んでなんだか満足げなため息をついていました。その気持ち私も共感できました。だってまるで壮大な映画を1本見たときの気持ちと似ているのです。山を動かすため、小さなサンが、何日も何日も一生懸命石を背負って運ぶ姿にも心をうたれますが、サンを見守る家族の姿にも心を打たれました。特に、途中でサンの心の変化が表情の変化で書かれているところがあって、そのシーンが私も娘も特に気に入りました。文章に重みもありますが、言葉に描かれない気持ちの変化が水墨画のタッチでとても繊細に表現されていて、読む人の心に訴えかけてくる力がありました。 何度か読んだのですが、娘が読んでと持ってくる日は、つぎの日ちょっと頑張る勇気をもらいたいときのようです。 娘に伝えたい大事なことがサンの姿にあったなぁと思います。 読む人の心を強くしてくれる1冊です。
投稿日:2016/11/27
農家の息子サンが、家族のために山を動かすお話です。 山を動かすために毎日少しずつ岩を掘るサン。その姿は、無理だよ、やめなよって言ってあげたくなるくらいなのですが、サンの母親は‘この子は出来る’と信じています。掘り進めるサンに奇跡の始まりが訪れます。なにやら不思議な力を持ってそうな老人との出会い。物語はここから一気にファンタジーの世界へ・・・。 山を動かしたのはリュウかもしれません。リュウを使ったのは不思議な老人かもしれません。でも、サンの熱い思いや母親の子を信じる思いがなければ、山を動かすなんて奇跡は起きなかったでしょう。サンが山を動かしたことには違いありません。 私は子どもたちのことをそこまで信じることが出来るだろうかと考えてしまいました。子どもの力を信じて見守ることは、とても難しいこと。だけど、身近な存在である親が、子を認めて信じることが、子どもの成長には大切なのだろうと思います。 迫力の絵が、壮大なストーリーにぐいぐいとひきこみます。ラストのリュウが山を動かすシーンは圧巻です。読み終えて本を閉じた後も余韻にひたってしばらくぼんやりしてしまいました。
投稿日:2016/11/22
5歳の息子と読みました。 どんな困難でも、強い意志をもってあきらめずに物事をやり続ければ、 いつかは叶うというストーリー。 ありがちな話ではありますが、その描写力が迫力満点で圧倒されます。 大きな黒い屹立した山々と、青い服を着て小さく描かれたサンたちの構図。 サンの強い意志を感じさせる顔立ち。 黒い風景の中の、赤い火を噴く白い龍などなど。 5歳児にも、感情移入しやすい分かりやすい絵本だったようで、 何度も読み返していました。
投稿日:2016/11/05
他人と違う。わが道をつらぬく息子。 そんな息子を温かく見守る母。 毎日、どたばた、なんでこの子はこうなの?っ理解できない、大変、疲れたって思っているお母さん、ぜひ子供と一緒によんでください。 親からしたら無謀で途方もないことに思えても子供にとっては真剣そのもの、そしてそんな強い気持ちは、山をも動かすのです。 強く願い、ひたむきにがんばれば何でもできる、やりとげることができる、そんな気持ちをもつ子どもになってほしいと思ってこの本を手にとりました。 絵のインパクトも強く、子どもたちは少し長いお話しにもかかわらず、最後まで真剣に聞いていました。 読み終わったあと、私はまだ小さいから岩は運べないけど、ママが困ったときはいつでも助けてあげるっていってくれました。 夜寝る前のひととき、絵本を読むのが日課です。 子供と一緒におとぎの国へ。 昼間どんなに叱ってしまっても絵本の時間は、幸せの時間、イライラも吹っ飛びます。
投稿日:2016/10/14
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