1976年のポール・ガルトンの再話を、1998年に童話館出版が発刊したもの。
調べると、岩崎書店で1980年にも発刊されていました。
出典は、グリム童話のようで、「おいしいおかゆ」という題名でも、出版されています。
物語は、村外れに住む気立ての良い娘とお母さんが、とても貧乏で娘が食材を探しに行くシーンから始まります。
何も見つけることが出来ない娘の前に現れたのが、曲がった杖をついたおばあさん。
これって、悪い魔法使いで娘がさらわれるというパターンが多いと思うのですが、さにあらず。
何と、呪文を唱えると、オートミールが出来るという魔法の鍋をくれたのです。
オートミールの一般的な食べ方は、オートミール1に対し、湯5の割合で鍋に入れて、かき混ぜながら粥状に煮たもので、お粥にあたるもの。
ただ、絵だけを見ると、一寸お粥には見えないかも知れません。
その鍋を手に入れてからは、二人は食うに困ることはなくなります。
ところが、娘が居ないときに、おかあさんが魔法の鍋を使用してオートミールを作ったのですが、止める呪文を忘れてしまうのです。
こんな簡単な呪文を忘れるの?という疑問はさておき、村中がオートミールで覆い尽くされてしまい、大混乱。
結果は見てのお楽しみにして頂きたいのですが、結構笑える結末だと思いました。
ポール・ガルトンの絵のテイストが、中世の時代に相応しく絵も堪能できる作品としてオススメします。