絵の迫力がこの本に出会ったきっかけです。
今では考えられませんが、国の一大事を占い師に託す時代。王さまは占い師らおらおばあさんの言葉どおり、子トラを猟師に殺され、助けられなった怒りで村を襲うようになった母トラに王子を差し出します。そこに深い信頼を感じました。母親である后もさぞかし悲しい決断だったでしょう。
そして王子も怖がることはなく、勇気を持ってトラの元に行きます。
そして占い師の言葉どおり、トラは王子を襲うことはなく、我が子のように愛情を示し、育てます。王子の安否を心配した王は兵を出し、火を放った時、立派に成長した王子に再会します。王子は母トラに再会を約束し、国に帰っていきますが、後に今後は我が子を母トラに託します。
培った愛情と信頼で、二度と母トラは村を襲う事はしないでしょう。
とても深い話で、ものすごい信頼と勇気と愛を感じました。
初めて5年生に紹介したとき、やはり、王が占い師の言葉どおりに王子をトラに差し出す事が信じなれないという感想が多く、その先に思いがいかず、とても残念に思いました。そういう時代もあったという事は理解できないのかもしれませんね。
子トラと王子の表情がそっくりな事や、后と母トラの涙がとても印象的でした。