20代の頃に暮らした国、イタリア。
どこを見ても懐かしく、古い石畳や塔の階段を歩く音も自然と耳の奥に蘇ってきます。
私自身は、いくつもの出会いや転機を重ね、縁ある国で暮らしてきたけれど、ここイタリアでは、あたかも千年前となんら変わらないと思わせてくれるような、悠久の時の流れを超えていくものが存在しているように感じます。
ヴェニスの風景を見ながら、娘にも“水上タクシー”の話をしてあげると、
「へえ、それじゃあすごく時間がかかっちゃうでしょ? 東名高速道路とかないの?」と、目を丸くしていました。
そう、イタリアは、スローライフを楽しむ国なんですよね。ゴンドラに乗って、ゆったりと。
「旅の絵本」は、これで5冊目になり、娘も楽しみ方をわきまえています! 「三匹のこぶた」や「不思議の国のアリス」などなど、ページをめくる度に即座に見つけては大歓声。
あるページでは、
「あっ、これ、『油断大敵』のことでしょ?」と、ひらめいたように手を叩いて言うので、何だろう?と見てみると、小さなうさぎが1匹、すやすやと気持ちよさそうに眠っています。そして、その向こうには、これまた小さな亀が、えっちら、ほっちら!!
なんだかイタリアのスローライフにぴったりで、思わず笑っちゃいました。