落語絵本シリーズの中でも、展開の派手さならこれがピカいちでしょうか。
たのきゅう一座の久平さんが、旅芝居に出かけた先で、母親の急病を知らされます。取るものも取り合えず、でも自分の舞台衣装は風呂敷に詰め、急ぎ故郷を目指します。
途中、休息を取るために寄った山小屋で、恐ろしいうわばみの化身の老人に出くわしてしまい・・・。
久平さんが利かした機転に、感嘆しました。
「芸は身を助ける」・・まさにその言葉のままでしょう。
小屋の中でのうわばみとのやり取りは緊張感ただよい、ハラハラします。
退治の場面も迫力があり、息をのむほど。
子どもはもちろんですが、普段、絵本を手に取らないような おとなたちにも是非読んで欲しくなります。
「落語も絵本も おもしろいでしょ?」って。
しっかり楽しんでもらうなら、小学校中学年くらいからが 特におすすめです。もちろん、幼稚園児にも読んであげられますが、10分位とちょっと長めだし、いろいろ補足しながらになってしまうかな?と思います。