息子の夏休みの宿題「戦争について深く考えよう」のために借りて来ました。
カバーの松谷さんの言葉を読んではっと胸をつかれた思いがしました。
やはり松谷さんの娘さんも戦争についての宿題が出され松谷さんの話を聞きとった後で「みんなおんなじ話をする。食べるものがなかったこと、爆弾が落ちてきてこわかったこと、それはわかったんだけど…なんだかちがう」
その言葉を受けてでき上がったのがこの作品ということだそうです。
親になった私は実際には戦争は知らない世代。松谷さんがこ作品を作られる前に感じられたのは「実感の重み」ということ。
実感の重みすら持たない私は子どもたちに何を伝えていけばいいのか、はなはだ心もとないのですが、今はできるだけ多くのことを知ることで、息子と戦争を考えていけばいいのかと。
戦争で亡くなった人たちを烏が弔いにいく。遺体さえ見つからなかった場合もあるでしょうから、遺族の思いはいかばかりかと。いつまでも消化されない思いや悲しみが人々の間でこんな話が生まれていったとしたら。
戦争の絵本を読んでいると戦場は地獄さながら、戦争が終わっても残された人々の心に残る心の傷はまた地獄。
短いお話の中で考えさせられることがたくさんありました。そしてそれを彩る絵の哀切さが物悲しく心に響いてきました。