阪神淡路大震災で命を失った妹のはるか。
そのことを忘れようとしていた、家のあったところにも足を向けたくない、姉のいつか。
避難所生活と、ボランティアのお姉さんの差し入れ弁当で行った高校受験。
多感な時代に、災害を乗り越えた姉がたどり着いたのは、あの日を忘れないこと。
妹の死んだそばから育った一本のひまわりのタネが、「はるかのひまわり」として被災の地のあちこちで花を咲かせていくというノンフィクション。
いつかさんの心で、ひまわりが悲しみから希望に変わっていくのです。
NPO法人阪神淡路大震災「1.17希望の灯り」の副理事として、いつかさんは語りづづけます。
あの大震災から16年が過ぎました。
そして3月の東日本大震災と津波。
思えば震災はその間にも何度と私達の生活を脅かし、台風、大雨の被害も想像を絶する形で自分たちの生活を破壊していきました。
私は「他人事のようにして、人の不幸を考えてはいけない」と子どもたちに伝えます。
その本人が、いろいろな災害があっても自分だけは大丈夫などと、根拠のない信念を持っています。
いつ自分の身に降りかかるかもしれない天変地異。
それをどう迎え撃つか、どう乗り越えるか、決してないがしろにしてはいけない事実が込められているお話です。