社会心理学を学ぶ学生にとってもとても解りやすい教科書のような絵本です。
価値観の創造、オピニオンリーダーと群集心理。
しかし、そう難しく考えなくてもこの絵本は、人間の心理を単純化して表現してくれました。
人間の価値観ってなんだろうか?
箱やボールを集めることを自分はしないけど、同じようなことって結構やっています。
しかも、誰が言いだしたのかよく考えると、ただの紙切れを集めたり、コレクションを集めることが生き甲斐になってきたり、義務感になってきたり、強迫観念になってきたり、最後には生活を破綻させてしまうほどの魔力を持ってしまったり。
大人も笑ってみていられない絵本でもあります。
パンチロネは自分の生活や友人よりも、ボールや箱の方が大事だと思いこんでしまいました。
その方が偉いのだ、立派なのだと。
エリはそんなパンチロネを優しく諭してくれます。
しあわせって何だろう。
やっていることって、しあわせを犠牲にするくらい価値があることなの?
子どもに読み聞かせながら私は感じ入ってしまいました。
私がエリの役目をしなければならないはずなのに、何となく絵本の中の村長さん、奥さんが村長さんの奥さんだったりして。
この本を読んだ人は心当たりがないか考えてみてください。
「たいせつなきみ2」です。