「今日も家族がそろって、おいしくご飯が食べられて幸せ!」
そんな当たり前の幸せを感じさせてもらえる絵本。
もう20年以上も前のことですが、子どもに読んでいた時は単純にそう思っていた。
でも今読み返すと・・・
あらいぐまさんちはおばあちゃん(お母さんにも見えますが、正確な表記がない)と二人の子どもたち。
うさぎさんちはおじいちゃんと、4人の子どもたち。
そのうち一人は思春期の入り口のお兄ちゃん。
みんなで遠足に出発することになっても、一人で本を読んでいたり、後から着いて行ってこっそり覗いていたりと、中々可愛い。
そんなお隣さん家族の一日が『食』を中心に描かれている。
作者の岸田衿子さんは1929年生まれ。
戦争を経験されている。お父さんお母さんがいない生活を目の当たりにしていたかもしれない。食べることでさえ苦労されたはず。その時代を生きてこられた岸田さんのお話と思いながら読むと、一日一日をもっと大切に生きようと思う。
おいしいものが食べられる幸せ。
おいしいものを一緒に食べられる家族がいる幸せ。
この幸せは有り難いことなんだと、この本から今は感じさせてもらえます。
最後のウサギのおじいちゃんの言葉が響きます。
「まー きょうも ぶじで なにより なにより」