野村たかあきさんの「おばあちゃんの行事料理」シリーズの一冊。
野村さんは1949年生まれですから、こういう行事を実際に体験してきた年齢かと思います。最近では行事料理をしないおうちも結構あるのではないでしょうか。
でも、やはりその由来なんかを知ることは行事の持っている印象を深めます。
子どもたちと一緒に料理をしながら、そういうことを語り継いでいくことの大切さを感じます。
今回の料理はひなまつりの行事料理。
もちろん、3月3日の女の子の節句に戴く料理です。
登場するのはいつものきりかちゃんと弟のこうたくん。そして、料理名人のおばあちゃん。
今回のメニューは「ひなちらし」と「うしおじる」。それに「ひしもち」や「ひなあられ」も出てきます。
料理の前には雛飾りも出しましょう。
絵本では二十四節気のひとつ「雨水」の日に雛飾りを出しています。その方が良縁に恵まれるそうです。さすがおばあちゃん、よく知っています。
きりかちゃんのおうちは七段飾りのりっぱな雛飾りです。きっと飾るのも大変でしょうね。そんな時こそおばあちゃんとたくさん話ができる貴重な時間。
そういうことの一つひとつが思い出になっていくといいですね。
さあ、桃の節句の当日、おばあちゃんと一緒に「ひなちらし」を作ります。
色鮮やかな「ひなちらし」はさすがに女の子の節句らしく華やかです。
もう一品は「うしおじる」。これははまぐりの汁物です。
どうしてはまぐりかというと、はまぐりは「にまいのからがぴったりかさなって、ほかのかいとはぜったいにあわない」そうです。だから、「じぶんにぴったりのひとにであえますように」という願いが込められているそうです。
これ、全部、おばあちゃんの受け売り。
我が家にも娘二人いますが、成長して、ここ何年も雛飾りは出していません。
だからなのでしょうか、「ぴったりのひと」には出会えていないようです。
娘さんがいる家族はきっとこの絵本を楽しく読んでいるのではないでしょうか。