とても複雑なテーマが込められた絵本でした。
一回読んだだけでは、エリックの心情や、サーフの言葉などもじっくり理解できることはできません。
そして、作者が言おうとしていることも一度では知りえないかもしれません。
でも、それくらい、価値のある学ぶべきテーマが多い本でした。
表紙のエリックが、まずたつのおとしごなのか・・なんなのか?わからない生き物で、その不思議感がまたこの本を引き立てているのだと思います。
大切なものを失った悲しみ、それを受け入れられなくて何度も涙を流す経験は誰にでも降りかかることです。
それを、サーフとの出会いで、新しい気持ちを芽生えさせてくれます。
枯れた海にお花が咲いていくさまは、まるでエリックの乾いた心が少しずつ解放されていく様子を表しているかのように感じました。
人との出会いや言葉で人間は変われるんだ!ということを優しく教えてくれているかのようでした。
うんうんと聞いてくれるサーフの温かさ。
人間は誰しも受け入れてもらいたいという気持ちも持っています。
サーフの言葉は、一つ一つかみしめて読んでほしいです。