読んでいて非常に心が苦しくなるお話でした。
何故ルビーは自分をごみくずだと思うようになってしまったのか?
全編を通して親が登場しないということは、
やはり最初は親との問題があったのでは・・・ということをうかがわせます。
昨今、子供達に「自己肯定感」、「自己有用感」の気持ちを育てるということが叫ばれていますから、
前半部分のルビーの強い自己否定には、
特に親の関わりが問題であること、また学校で先生との関係が良くないことが起因していると考えられます。
親や先生などの大人の接し方を周囲にいる子供達に敏感に察知し、
同じように真似るようになってしまいますね。
そのことが強く感じられました。
後半部分では、
ドットおばさんが、いじめっこは何故いじめっこになるのか?というお話をしているくだりが、
とても分かりやすく、多くの人の心に響きやすいのではないかと思いました。
本当の「いじめっこ」になってしまった人は「私は違うから」と反論してしまうかもしれませんが・・・
そういう気持ちは、自分を見つめる勇気がないのでしょうから、
やはりドットおばさんが言っている通りなのだろうと思います。
非常に強かった自己否定の感情から、自己肯定が出来るようになるには、
相当の葛藤があると思いますが、
まだ子供の段階で、理解ある大人と出逢ったことは、
ルビーにとって不幸中の幸いだったことでしょう。
これから先、
親との関係がどうなっていくか分かりませんが、
ドットおばさんが「気付き」となって始まったルビーの変革が、
親によってつぶされることのないよう、祈るばかりです。