黒井健さんの挿絵が、文章のイメージにとてもあっていて、よかったです。
何より印象的だったのは、当時、テレビの映像でも何度も映し出されていた震災後、あの津波を乗り越え立ったいた「一本松」のシーンでした。
この絵本の見返しの部分にもモノトーンで描かれている一本松がありますが、そちらも心に残る情景でした。
読めばわかると思いますが、この作品はあの東日本大震災の津波で、ご子息を亡くされた方が書いています。
悲しみもたくさん伝わってきますが、生前の息子さんの思いを胸に、一生懸命前に動き出そうとされているのが感じられまました。
とても素晴らしい作品だと思う半面、この作品をただ「素晴しい」という理由で、何かの伝道書のように子どもたちに読み聞かせるのはちょっと嫌だな〜と、思い、評価は微妙な☆四つにしてしまいました。
この本を子どもたちに手渡すなら、私なら読み聞かせよりもブックトークを選びそうです。
他の震災に関連の書籍と一緒に、小学校高学年くらいのお子さんたちから聞けるような内容でまとめておすすめしてみたいなと、思いました。