林明子さんの絵本は自分が子供のころから大好きだったけど、この本は読んだことがありませんでした。評判がいいので、ぜひと思って借りてきました。
予想をはるかに超えて、素晴らしい絵本でした。
ぬいぐるみのこんは、あきが赤ちゃんの頃から一緒。
うでがほつれてしまったこんを直してもらうために、一緒におばあちゃんのお家へ行きます。
小さい女の子とぬいぐるみの二人旅ですから、ハプニングだらけ。
電車が停車中にお弁当を買いに下りたこんを、心配そうに待つあき。
こんが帰ってこずに泣いてしまうあき。
こんをみつけて、ほっとして、無防備な姿で一緒にお弁当を食べるあき。
そして、いつもあきを安心させようと、一生懸命なこん。
子供の表情の豊かさと、表情がないはずのこんのかもしだすあたたかさ。林明子さんには、なぜこんな絵がかけるのでしょうか。
思わず、絵本をなでなでしてしまいました。
そんなあきとこんの最大のピンチは、砂丘で起こります。
犬に連れされたこん、こんを必死で追うあき。
読み手の私もどんどん緊張が高まり、そして、こんの耳を見つけた時の息子の、私を制するような「あった!」という声。
私も息子も、1回目にこの本を読んだ時から、絵本の世界にぐんぐんひきこまれました。
そして、私は、気がつくと泣いていて、息子は、ただじーっと私が本を読むのを聞いていました。
最後はハッピーエンドです。
おばあちゃんの抱擁のどれだけあたたかいかを、私は膝に乗せている息子のあたたかさから、想像することができます。
一緒って、ホントに、あたたかい。