ツヴェルガーの作品を集めているときに出会った絵本。
清潔感漂う華奢な絵が、お話の雰囲気をよく醸し出している。
美しい男の子が、魔法使いにさらわれて、醜い姿に変えられ、いろいろ苦労を重ねた上、長い年月を経て、元の世界に帰れるというメルヘンの王道を行くような話で、25歳で亡くなったドイツの天才ハウフの作品だ。
絵本としては、異例の長さだが、恐ろしかったり、ハラハラドキドキしたり、ロマンティックな場面もあったりで、お話が変化に富み、長さを感じさせない。
一度話の中に入り込むと、終わるまで魔法にかけられたように現実に戻れない感じがして、魅力的だ。
ハウフの作品の中では、『コウノトリになった王様』が一番気に入っているのだが、これも絵本になって出てくれないかな。