タイの首都バンコクで生活する少女とその家族の日常を紹介した写真絵本。<生活のなかの人々の姿>をテーマに写真を撮り続けているエリック氏が取材・撮影。
2011年のタイの洪水災害を経験してもなお、人々は逞しく生き抜き、微笑みを絶やさないという。絵本に紹介されている写真は自宅や学校、市場などの日常の何気ない風景である。人が映っていない写真でも、人の気配や思いが感じられる。常夏の国でみんな夏の恰好をしているにも関わらず、涼しくて快適に人生を楽しんでいるように見える。学校の雰囲気はレベルが高そう。少年少女たちは課外活動やガールスカウト、習い事などをして充実している。
忙しそうだけど、余裕が感じられる。心が豊かになるように、一人一人が人の事を思いやったり、仏教の教えが生活に浸透していて心の支えや慰めになっているようだった。子どもたちも大人も小さな仏さんみたいな素敵な微笑みが印象的だった。
豊かな生活というのは、こういうことなのだろう。
タイの印象が変わった一冊。