汽車に乗って長い間仕事に出かけるお父さん。お父さんを待つ「ぼく」と犬のワンダはお父さんがいない間、おもちゃ屋さんに飾ってある汽車の模型を毎日のように見に行きます。「ぼく」はこの汽車を通じてお父さんのことを思い出し、お父さんの乗っている汽車とこの汽車を重ねているのですね。
とても静かなお話しなのですが、男の子がお父さんを大好きなことが文章から伝わってきて、とても好感の持てる作品です。
どっしりと落ち着いた絵の雰囲気も、とてもお話しに合っていると感じました。汽車は売れてしまったけれど、帰って来たお父さんからのお土産は、男の子にとって最高のもの。この点については文章にはまったく書かれず、絵のみで表現されているのですね。
寒い冬のお話しですが、とても暖かな雰囲気の絵本です。