宮沢賢治さんの絵本にしては
とっても鮮やかな絵が印象的です。
最初の場面…洋傘直し(コウモリナオシ)の青年に声を掛けるのは
すももの垣根でしょうか。
そうです☆
もう宮沢ワールドは始まっていますよ。
いつも感じることですが
賢治さんの自然描写は 本当に素晴らしいです。
田原田鶴子さんの絵も手伝って
この絵本はその良さが更に際立っているように思います。
お話に戻って…
この庭園に咲く花の中で 1番大切な花とされている
小さな白いチュウリップ。
花の盃の中から 陽炎のように湧き出す蒸気…
これを園丁は チュウリップの光の酒だと
青年に話しました。
このあたりから タイトルの理由が見え隠れして
「注文の多い料理店」を思い出します。
寸でのところで この青年は
庭園から立ち去ることが出来ましたが
この光の酒に本当に酔ってしまったら
この青年はどうなっていたのかしら
…と気になって仕方がありません。