不思議な自転車が、槌で叩き合っていた2人の子どもを乗せて旅に出ます。
「火曜日の翌日で 水曜日の前日のこと」とプロローグに書かれています。
時空の狭間で起こっているのか、それともそこへ連れて行かれたのか。
旅から帰るととてつもない年月が流れていて、とういなんともシュールなお話でした。
自転車は子供らを成長させる為、旅に連れ出したのでしょうか。
ちょっとした罰を与えながら進み自走しますが、今度は2人が自転車を走らせ始めたのかなと思われる所で旅もお話も終わります。
また、22章の構成ですが途中いくつもの章がはしょってあります。
取るに足らない、描くまでもない出来事が省略された、そして旅はとても長い時間を要したということでしょうか。
自転車は特別叱ることも責めることもなく、ただ子ども達を乗せて走り続け、最後はバラバラになってしまいました。
これが優雅に叱責した自転車だと言われれば、なるほどです。
自転車に母親や父親の姿が重なるようにも思えます。
世にも奇妙で、とても難解なお話です。