主人公のおじいさん、もりたろうさんが本当に
愛すべき人物です。
もりたろうさんは、郵便配達の仕事をしているのですが
車やバイクではなく、てくてく歩いて配達します。
暑い日も、雨の日も、雪の日も。
それだけでも偉いなぁと思うのですが、
彼は更にすごい。
何と、定年退職後に車の免許を取るのです。
定年を迎えたおじいさんなのに、裸眼で目の検査に軽く合格。そこも素晴らしい…。
念願叶って、免許証を手にしたもりたろうさんが
微笑みながら小躍りする姿は、もう最高に可愛い!
思わず、良かったねと言ってあげたくなります。
お金がないので、オンボロの車しか買えないのですが、
それを一生懸命修理したり、ペンキを塗って綺麗にしたり。
ついに赤く輝く、愛情たっぷりの素敵な車に仕上げます。
古いものでも修理をして綺麗にし、
大事にするもりたろうさんの姿には大人でも考えさせられます。
立派なものを選びたがり、物を粗末にしてしまう現代人には、
物を大切にする、もりたろうさんに学ぶものがあると思います。
勿論、子どもに考えさせる事もできますよね。
その後、トラブルに巻き込まれ、もりたろうさんの自動車は
使い物にならなくなります。
代わりに、新しい立派な自動車を手に入れるもりたろうさん。
災い転じて福となす、というところですが、
個人的には、あの手を掛けた車にずっと乗っていて欲しかったな…。
でも安全の為、家族の為には、
あのピカピカ車で良かったなという気持ちです。