食いしん坊のとらくん。
彼はベーコンが大好き。
ある日、道にベーコンが落ちているのを発見!
でも、落し物だから交番へもっていかねばなりません。
しょうがなく交番へ。
でもおまわりさんが言ってくれます。
「明日の昼までに持ち主が現れなかったら、君にあげるよ」
さあ、とらくん。朝から早起きして、交番の屋根で、落とし主待ちをします。
「誰もくるな、誰も来るな。もしもベーコンもらっても、仲良しのくろにも秘密。一人で全部食べるもん」
このとらくんの様子がとても面白い。
ああ、この気持ち、食いしん坊の私にはよく分かる。
いろんな人が交番を訪ねてくるところではちょっとハラハラしてしまいました。
最後に落とし主が現れます。
それはなんと、友達のくろくん。
でもね、彼はこういうのです。
「とらくんと食べようと思って」
「ひとりじめしようとするとらくん」と、「分け合って食べようと思ったくろくん」の思考の対比がくっきりとしていて、面白いです。
そして、最後、ベーコンを食べながらの二匹の会話がうまく出来ているのです。
分けっこして、おいしいと言い合いながら食べると、不思議なスパイスが加わって、もっともっとおいしくなる。
そのニュアンスが、息子にも、ちょっとは分かったようです。
でも、まだ…口先だけかもしれませんが?