海に浮かぶ島にひとりぼっちですんでいる鬼。とてもさびしくて、飛んでいる鳥や、沖を通る船をみては「こっちへおいで」と声をかけるけど誰も寄り付いてくれません。嵐の晩に間違えて助けを求めに島へ近寄ってきた猟師に、鬼は尋ねます。「あんたらと暮らしたいけどどうしたらいいか」って。
猟師に教えられたとろおりにしたけど、村人から恐ろしがられた鬼は、村人たちの策略で島を追い出されてしまいます。
無邪気な表情をしていて悪いことはしないのに、見た目の恐ろしさで迫害されてしまう悲しさがたんたんと描かれていて、なんだか切なくなる絵本です。しかし、読んだ後に、ほんわか暖かくなる絵本ばかりでなく、こういった絵本ももっと読みつがれていってもよいと思いました。