山に登らなくなって何年になるでしょう。
地元の早池峰山は高山植物の宝庫です。
頂上に咲く岩鏡に会いたくて数年、登り続けました。
風雨で、足元だけを見ながら歩いた日もあります。
子供には不評の登山ですが、ホシガラスやオコジョに会えるというハプニングもありました。
夫の不調で諦めている登山を優しいお話と絵で思い出すことができました。
車で通るだけとは違う、自分の足で歩き、風や空気の香りをかぎ、小さな花や動物と出会う。空の色が変わり、雲が形を変えながら流れる。
頂上からの眺めは、汗を流したぶんだけ、格別。
世界はこんなに広く、美しいと、目と心に刻み下山する。
人の五感はこんな経験で磨かれるのだと実感できます。
そんな気持ちを誰かに伝えることができる。すてきです。