この絵本のもとになった詩が発表されたのが1980年で
韓国が高度経済成長期に入ったばかり。
まだそれほど豊かではないころのことです。
それを知って読み返すと・・・
通学路にひしゃげた空き缶をおいて物乞いするおじさん。
女の子なのに髪は短く地味な色の服をきるヨンイ。
絵が時代を物語っています。
ヨンイはおそらく貧しい生活をしていただろうに
物乞いのおじさんに自分の傘を差し出します。
そしてその傘をそっと立てかけて去っていたおじさん。
二人の会話が無いので私が台詞を作ってみました。
「おじさん濡れちゃうよ、これ使っていいよ」
「お嬢ちゃん ありがとう。おかげで濡れずに済んだよ。
おじさんはもう大丈夫だよ。」
譲る気持ちと返す気持ちが現われたところが
経済成長の始まりのように思えました。